安全保障関連法の撤廃を求め
憲法改定に反対する
成蹊学園有志の会
日本学術会議任命拒否に対する声明
私たち「安全保障関連法に反対する成蹊学園有志の会」は、「安全保障関連法に反対する学者の会・呼びかけ人」が菅義偉首相に向けて2020年10月14日に発した「抗議声明」に全面的に賛同し、そこで要求された次の二点、すなわち、6名の方々が日本学術会議会員への任命を見送られた経緯とその理由とを明確にすること、それら6名の方々の任命見送りを全面的に撤回して直ちに日本学術会議会員に任命することを菅首相に強く求めます。
2020年11月3日
安全保障関連法の撤廃を求め、
憲法改定に反対する成蹊学園有志の声明
呼びかけ人代表 成蹊大学名誉教授 加藤 節
日本国憲法施行70周年を経た現在、現憲法はこれまでにない危機に直面しています。現憲法は、改憲派が、憲法9条を最終的な標的とする憲法改定のための国会発議と国民投票との実施を政治日程に上げる準備に着手する状況のただなかに置かれているからです。その意味で、現在のこの国は、憲法に体現されてきた戦後体制の理念、特に、「国権の発動」としての「戦争」を放棄し、そのために「戦力」の保持を否定する平和主義の理念を維持するのか、それを捨てるのかの大きな分水嶺に立っているといわなければなりません。
私たちは、二年前、安全保障関連法の制定が政治的争点になったとき、成蹊学園有志の会を組織して、それに反対する運動を展開いたしました。それは、ともに現政権による憲法の蔑視に関連する二つの理由からでした。一つは、集団的自衛権を容認する安全保障関連法そのものがあきらかに憲法9条に違反するものであることであり、もう一つは、行政府の閣議決定によって集団的自衛権を合憲化した手続きが憲法の定める立憲主義に違背するということでした。
現政権、特に自民党が自主憲法制定の名の下に現憲法の全面的な改定をめざしている事実が示すように、こうした現憲法蔑視の姿勢や風潮はいよいよ強まってきています。しかも、天皇を元首とし、国軍を持ち、国民の権利よりも義務を重視する条項を盛った自民党の憲法草案が示すように、改憲派は、この国を、悲惨な戦争へと行き着いて崩壊した戦前・戦中の体制へと復古させることを意図しているといわなければなりません。
私どもは、国民主権、基本的人権の保障、平和主義を柱とする現憲法と、それに支えられた戦後体制とを大切に考える者として、また、次代をになう若い世代を再び戦場へと送らないことを義務として負う学園に関係する者として、戦前・戦中への復古をめざす憲法改定の動きを認めることはできません。多くの心ある方々が、安全保障関連法の撤廃を求め、憲法9条を最終的な標的とする憲法改定に反対する私どもの運動の輪に加わって下さるよう切に希望いたします。2018年1月1日
賛同者の皆様へ
ご賛同への御礼
呼びかけ人一同(代表 加藤 節)
皆様には「安全保障関連法案に反対する成蹊学園有志の会」が八月十五日付で発表した声明に御賛同いただき、まことに有難うございました。私ども呼びかけ人にとりまして、数多くの心ある方々がお寄せ下さった支援の声は大変心強いものであり、この間の活動を支える大きな力になりました。そのことにつきまして、何よりもまず、心からの御礼を申し上げさせていただきます。
私どもが一致して求めてきた法案の廃案は、数の力を背景にした政府与党の暴挙とも言うべき強行採決によって残念ながら実現できませんでした。その点では、私どもは力不足であったことを反省を込めて率直に認めるべきかと思います。しかし、法案の廃案化を求める数多くの人々が繰り広げてきたこの数ヶ月間の運動は、憲法の平和主義を守り、立憲主義の徹底を求める自律的な諸個人が自由に連帯して展開するデモクラシーの新しい形態を生み出した点で、また、若い世代が学校や地域の垣根を越えて参加して運動の重要な一翼を担った点で、未来への明るい展望を秘めるものでもありました。
私ども呼びかけ人一同は、賛同者の皆様とともに、こうした意味をもつ今回の運動に参加し得たことを誇りに思うとともに、その貴重な遺産を今後に生かす努力を持続して、この国のあるべき姿を真摯に問い続けて行かなければならないと考えております。これからも、皆様に対しまして様々な御協力をお願いする機会も出て来るかと思われますが、その際には、どうか引き続きの御支援を賜りますよう心からお願い申し上げまして、私どもからの御挨拶とさせていただきます。なお、会としましては、当面はそのままの形で賛同者を募る活動を続けますが、その後のことにつきましては、方向が決まり次第、改めて御報告させていただきたいと思っております。
2015年9月22日
声明
安全保障関連法案に反対する成蹊学園有志の声明
今、国の内外で日本が「戦争しない国」から「戦争する国」に変わってしまうのではないかという不安が渦巻いています。それは、多くの人々が、安倍晋三内閣が国会に提案した安全保障関連法案は、アメリカなど他国が海外で行う軍事行動に日本の自衛隊が協力していくことを可能にするものであり、これまで、「専守防衛」の名のもとに極めて限定的にしか行われてこなかった自衛隊の活動の範囲を、時の政権が「存立危機事態」と判断すればどこへでも拡大できるようにするものであると考えているからです。
しかも、この法案の前提になっている集団的自衛権の行使については、圧倒的多数の憲法学者が「憲法違反」との見解を示しています。また、歴代政権も「集団的自衛権の行使は憲法違反である」という解釈を60年以上にわたって堅持してきました。そうした従来の政府解釈を安倍内閣が一片の閣議決定で覆したことで、権力の暴走を阻止して法的安定性を担保してきた日本の立憲主義が危機に追いやられています。この安全保障関連法案がそうした無理の上に提案されている以上、国会での審議が進めば進むほど法案への人々の不安と疑念とが増しているのは当然の結果だと言わなければなりません。
安倍晋三首相が卒業した成蹊学園は、他の学園と同じように、かつて少なからぬ同窓生を戦地へと送り出した歴史をもっています。私たち成蹊学園有志は、安倍首相が、次代をになう若い世代を再び戦地に送らないために、そうした痛恨の歴史に学び、平和を求める多くの人々の声に謙虚に耳を傾けて、安全保障関連法案を廃案とすることを切に望むものです。
2015年8月15日
呼びかけ人
〔代表〕加藤 節(成蹊大学名誉教授)
青木秀一(元職員)、板橋拓己(法学部教員)
今井貴子(法学部教員)、逢坂英明(高校教員)
大倉元宏(理工学部教員)、大町健(経済学部教員)*
小川由里子(中学校教員)、奧野昌宏(成蹊大学名誉教授)
小田宏信(経済学部教員)、柄木田文明(中学校教員)
佐藤潤一郎(元小学校教員)、須藤昭義(高校教員)
中江桂子(文学部教員)、中沢正弘(元職員)
西岡房子(元小学校教員)、平石耕(法学部教員)
五十音順 計17名 *事務局
賛同者
賛同者計301名
呼びかけ人含め総計317名
2018年7月21日現在
成蹊学園関係者(教職員、卒業生)の方で、声明にご賛同いただける方は、
seikeiseimei(実際にメールをするときには上下をつないで下さい)
@yahoo.co.jp
まで
(1) 氏名
(2) 所属(上の表を参考にして下さい。卒業生は卒業年次をご記入下さい)
(3) 氏名公開の可否(必ずお知らせください)(4) 連絡先電子メールアドレス
をお知らせいただければと存じます。※お名前の公開の可否が確認できない場合は、「匿名」にさせて頂いています。そのような場合には事務局より確認のご連絡をさせて頂いていますが、とくに携帯アドレスではメール不達が発生しているようですので、ご了承ください。
※メールのトラブル等で受信できていないケースが生じています。お心当たりのある方はご連絡下さい。
事務局からお知らせ
名称の変更と活動の継続について
安全関連法案は通ってしまいましたが、
時代を画するような新たなエネルギーを感じます。
名前を「安全保障関連法案に反対する成蹊学園有志の会」から
「安全保障関連法に反対する成蹊学園有志の会」に、
換えて賛同を募り続けます。(2015.9.19)憲法はこれまでにない危機に直面しているなかで、会を
「安全保障関連法に反対する成蹊学園有志の会」から「
安全保障関連法の撤廃を求め、憲法改定に反対する成蹊学園有志の会」に換えて活動していくこととしました。(2018.1.1)
賛同者の表示について
運動の転換点でもあり、個人情報保護の観点から、賛同者については賛同者数のみを表示することとしました。(2015.9.29)
行動のお知らせ
学者の会声明「私たちが受け継ぐSEALDsの7つの成果」
「安全保障関連法に反対する学者の会」から
8月15日に解散するSEALDsに向けて声明「私たちが受け継ぐSEALDsの7つの成果」の連絡をうけました。
私たちが受け継ぐSEALDsの7つの成果
私たち「安全保障関連法に反対する学者の会」と協同してきた「自由と民主主義のための学生緊急行動」(SEALDs)が、2016年8月15日をもって正式に解散します。SEALDsに深い感謝を表すとともに、今後の市民運動のさらなる発展のために、その主要な成果を確認したいと思います。
(1)主権者としての「市民」の政治参加を活性化し、民主主義を刷新した
SEALDsは「主権者運動」としての市民の政治参加を活性化しました。「言うこと聞かせる番だ、俺たちが」「選挙へ行こうよ」など主権者意識に根ざしたコールのなか、抗議行動から選挙への取り組みへと直結する新しい市民運動のうねりがつくられました。それはまさに民主主義の刷新そのものでした。
(2)相互にリスペクトしあう個人の連帯が、立憲主義そのものを体現した
この大きな変革はSEALDsメンバーの「孤独に思考し、判断し、行動する」知性、感性、勇気がもたらしました。個人の権利や尊厳へのリスペクトの前提となる立憲主義のために連帯した多種多様な人々によって、立憲主義が抽象的な理念にとどまらず、血肉をともなったムーブメントとして実現しました。
(3)長らく守勢に立たされつづけてきた平和主義が、力強く息を吹き返した
先人から受け継いだ平和への思いを自らの言葉で紡いだスピーチを通して、平和主義が、過去の反省、現在の努力、未来への希望としての力を取り戻しました。構造的な貧困や暴力に取り囲まれた絶望的な日常のなかで、それでも平和を諦めず、希望を語る彼女や彼らのしなやかさに私たちは「ふるえ」ました。
(4)市民と野党との応答関係を築き、参議院選挙において野党共闘を実現した
「民主主義ってなんだ?」「これだ!」コール・アンド・レスポンスの精神が、市民間、市民と野党、そして野党間の対話と応答を現実のものとしました。国会前の「野党は共闘」の声に応えた国会審議の野党共闘に始まり、最終的には参議院選挙一人区すべてで候補者一本化という不可能が可能となりました。
(5)市民の後押しする野党共闘ならば、小選挙区でも勝負になることを明らかにした
改憲勢力の3分の2は阻止できませんでした。しかし自民党の牙城である32の一人区のうち11を野党共闘が獲得する快挙を収めました。衆議院選挙の小選挙区は都市部も含むことから、SEALDsがリードしたネットやグラフィックスを駆使した市民参加型の選挙運動はいっそう威力を発揮するでしょう。
(6)東京だけでなく全国各地において、学生と学者らの協同に端緒をつけた
SEALDsは東京だけでなく、KANSAI、TOKAI、TOHOKU、RYUKYUとそれぞれの地域で活動し、また各地の学生団体と連携しました。SEALDsが学者の会などと市民連合を結成したように、全国で学生と学者がママの会や総がかり行動や弁護士らと協同する態勢が整ってきました。
(7)立憲民主主義を守るだけでなく、発展させる指針を示した
「絶望のどん底で、希望に負けた」体験を原点とするSEALDsは、ポジティブ思考や発信の重要性を教えてくれました。立憲民主主義や平和は、守るだけでなく、育み発展させていくものです。個人の尊厳を擁護する政治を実現するため、私たちは相互の個性の尊重をもとにアクションを起こしつづけます。
大学院や職場、ReDEMOSなどそれぞれの活動の場に移っていくあなたたちに、心からリスペクトを送ります。ありがとう、また会う日まで。
2016年8月8日
安全保障関連法に反対する学者の会
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